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■ 第1章:あなたは「見栄えのいい数字」のために、誰でもいいから集めようとしていませんか?
海に投網を打つ漁師を想像してほしい。
網を広げれば広げるほど、引き上げた時の重さは増す。数字は確かに積み上がる。でも網の中には、魚だけじゃない。海藻が絡まり、ゴミが混じり、食べられない貝が山積みになっている。
〝無差別な投網漁〟の問題は、数が多く見えることだ。
引き上げた瞬間は圧倒される。「こんなに獲れた」という達成感が、全身を包む。でも選別を始めると気づく。本当に使えるものは、ほんの一握りだったと。
フォロワー数。登録者数。購読者数。
これらの数字は、投網で引き上げた時の「総重量」に過ぎない。問題は、その中に何が含まれているかだ。
僕はかつて、30万フォロワーという数字を持っていた。毎日通知が鳴り止まない日々。数字が増えるたびに、何かを成し遂げた気になっていた。でもある朝、その数字が〝借り物〟だったと気づいた。
一方、アレイダ・ソリスという女性は、3万人という目標を掲げた時、まったく違う漁をしていた。
彼女が使ったのは、投網ではなかった。特定の魚だけに反応する、専用のルアーだった。
■ 第2章:インスタで30万フォロワーを集めたが、属性がバラバラで売上が90%吹き飛んだ私の過去。
あの夜のことは、今でも鮮明に覚えている。
一眼レフで撮った風景写真をインスタに投稿したら、一晩で5,000人のフォロワーが増えた。通知が止まらない。画面を見るたびに数字が跳ね上がる。「インスタってすごい。これ、ビジネスに繋げられる」と確信した瞬間だった。
僕はエンジニアだった。その技術を使えば、もっと効率的にできると考えた。
スクレイピングで他のアカウントの人気コンテンツを自動収集し、全自動でメディアサイトに投稿するシステムを組んだ。20種類以上のキュレーションアカウントを同時に立ち上げた。お弁当アカウントが11万人、キャンプアカウントが9万人。気づけばトータル約30万フォロワーを達成していた。
PR案件が入り始めた。1件最大10万円。月に20万円ほどの案件収入が安定して入ってくるようになった。
〝取り憑かれた〟という言葉しか思い浮かばない。
フォロワー数の通知が止まらない日々。数字が上がること自体が快感だった。毎朝スマホを開くたびに、また増えている。その感覚は、ある種の中毒に近かった。僕は数字を〝育てている〟と思っていた。でも本当は、数字に〝飼われていた〟のだと後から気づく。
そして、ある朝が来た。
ストーリーを投稿した。昨日まで5,000リーチあったはずのコンテンツが、200しか届いていない。
最初は「今日たまたま調子が悪いのかな」と思った。でも翌日も、その翌日も、同じだった。アルゴリズムが変わっていた。キュレーションアカウント全般への規制が強化され、エンゲージメントが急落した。新規リーチが激減し、PR案件の依頼も消えていった。
月20万円あった案件報酬が、ほぼゼロになった。
30万人のフォロワーがいるのに、ストーリーで商品を宣伝しても誰も動かない。
その時に気づいた。僕が集めていたのは、お弁当が好きな人、キャンプが好きな人、風景写真が好きな人だった。バラバラな属性の人たちが、バラバラな理由で集まっていた。彼らに共通していたのは「インスタを見ている」という事実だけで、僕が提供できる価値に興味がある人ではなかった。
〝30万人は借り物だった〟という虚脱感が、じわじわと全身に広がった。
投網で引き上げた「総重量」は確かに30万あった。でも選別してみたら、本当に使えるものは底をついていた。プラットフォームという海が波立った瞬間、網ごと引きずられた。
しんたろー:
当時の僕は、数字が増えることと、価値が積み上がることを混同していた。30万フォロワーは確かに存在した。でも彼らは「僕を必要としている人たち」じゃなかった。それが本質的な問題だったと、今は分かる。フォロワー数という見栄えのいい数字を追いかけた結果、売上の90%が消えた。あの朝の感覚は、今でも僕の判断基準になっている。
■ 第3章:アレイダ・ソリスは、ただ数を集めるのではなく「3万人」という目標を読者と共有した。
アレイダ・ソリスは、SEOコンサルタントだ。
彼女が運営するニュースレター「SEOFOMO」は、SEO(検索エンジン最適化)に関する情報を週1回配信する媒体で、現在は4万人の購読者を抱えている。でも今から振り返ると、彼女が3万人という壁を越えた瞬間こそが、この成長の転換点だった。
2023年の秋、アレイダのニュースレターは28,500人の購読者を抱えていた。
通常の成長ペースでは、3万人というマイルストーンに届くまでにかなりの時間がかかる計算だった。彼女はそこで、ある決断をした。
「読者と一緒に、この目標を達成しよう」
彼女はニュースレターのキャンペーンを設計した。10月1日、その週の配信号でアナウンスした。内容はシンプルだった。「SEOFOMOが3万人に到達するまでのキャンペーンを始める。購読者が他のSEO担当者を紹介してくれれば、それがエントリーになる」というものだ。
ここで重要なのは、賞品の設計だった。
アレイダが用意したのは、MacBookでも、Amazonギフトカードでも、現金でもなかった。彼女が選んだのは、〝SEOツールと関連リソース〟だった。
読者がすでに使っていて、すでにTwitterで「高い」と愚痴をこぼしているようなツール群。Ahrefs、SEMrush、Screaming Frogといった、SEO担当者なら誰もが名前を知っているソフトウェア。それを賞品にした。
この選択の意味を、少し考えてほしい。
MacBookが欲しい人は、SEO担当者でなくても山ほどいる。Amazonギフトカードが欲しい人も、世界中に無数にいる。でも「SEOツールが欲しい」という人は、SEOを仕事にしている人か、SEOを真剣に学んでいる人だけだ。
賞品が〝フィルター〟になった。
キャンペーンに参加する動機を持つ人は、最初から「SEOFOMOの内容が自分の仕事に関係する人」に絞られた。投網ではなく、SEO担当者だけに反応する専用のルアーを水中に垂らした。
そしてもう一つ、アレイダが巧みだったのはキャンペーンの〝フレーミング〟だった。
「私を助けて」ではなく、「一緒にここに辿り着こう」という言葉で語りかけた。
長年読み続けてきた読者にとって、「SEOFOMO が3万人に到達する」という出来事は、自分ごとになった。職場のSlackチャンネルで同僚に転送する。SEO仲間にDMで送る。「このニュースレター、読んでる?」という会話が生まれた。
その時に紹介される相手は、必然的に「SEOに携わっている人」だった。
11月19日。アレイダは購読者数が3万人を超えたことを発表し、キャンペーンの終了を告げた。
7週間で1,500人の新規購読者を獲得した。週平均215人。しかも、そのほぼ全員が既存の読者から紹介された人たちだった。つまり、SEOに関心がある人たちが、自分と同じようにSEOに関心がある人を連れてきた。
〝質の高い人が、質の高い人を連れてくる〟という連鎖が起きた。
しんたろー:
アレイダのやり方を初めて知った時、背筋が伸びた。僕がインスタで30万フォロワーを集めていた頃、賞品どころかフィルターの概念すら持っていなかった。誰でもいい、多ければいい、そう思っていた。でも彼女は最初から「誰でもいい」とは思っていなかった。1,500人という数字は、30万人より小さい。でも、どちらが本当に価値があるかは、もう言うまでもない。
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■ 第4章:MacBookではなくSEOツールを賞品にすることで、本当に必要な人だけを抽出するフィルターの仕組み。
なぜ、賞品の選択がそこまで重要なのか。
少し解剖してみる。
〝無差別な投網漁〟の問題は、引き上げた時の重さだけで判断してしまうことだ。でも本当の価値は、選別した後に残るものの量と質にある。
アレイダが設計したキャンペーンには、3つのフィルターが重なっていた。
フィルター1: エントリー条件
まず、キャンペーンに参加するためには「SEOFOMOの購読者であること」が前提だった。つまり、すでにSEOに関心を持っている人しかエントリーできない。これで最初の選別が起きる。
フィルター2: 紹介という行動
次に、エントリー数を増やすためには「他のSEO担当者を紹介する」という行動が必要だった。これは受け身の参加ではなく、能動的な行動を要求する。「このニュースレターを誰かに紹介したい」と思える人だけが動く。惰性で登録している人は、このステップで脱落する。
フィルター3: 賞品の専門性
そして最後に、賞品がSEOツールだった。MacBookやAmazonギフトカードなら、SEOと無関係な人も「とりあえず参加してみよう」という動機が生まれる。でも「SEOツールが欲しい」という動機は、SEOを仕事にしている人にしか発生しない。
この3層のフィルターが重なることで、キャンペーンに参加した人の〝純度〟が保たれた。
具体的に考えてみる。
Ahrefs(月額約2万円)やSEMrush(月額約2万円〜)といったSEOツールは、SEO担当者にとって必需品だが、コストが重い。だから「もらえるなら欲しい」という強い動機がある。でも「もらっても使い道がない」という人には、全く響かない。
賞品が〝欲しい理由〟を持つ人の層が、そのままニュースレターの〝ターゲット層〟と完全に一致していた。
これは偶然ではない。設計だ。
アレイダは「誰でもいいから増やしたい」という欲から、キャンペーンを設計していなかった。「SEOFOMOを読む価値がある人に届けたい」という意図から、逆算して設計した。
結果として、増えた1,500人は、キャンペーンが終わった後もニュースレターを読み続ける可能性が高い読者になった。
〝一本釣り〟の真価は、釣った後にある。
投網で引き上げた魚は、選別に時間がかかる。でも専用のルアーで釣った魚は、最初から目的の種類だ。選別のコストが、ほぼゼロになる。
アレイダのニュースレターにとって、質の高い読者が増えることは、スポンサー収入に直結する。SEO関連のツール企業や代理店がスポンサーになりたいのは、「SEO担当者に読まれているニュースレター」だ。読者の属性が明確であればあるほど、スポンサーシップの単価は上がる。
フィルターをかけることは、短期的には「数が増えにくい」ように見える。でも長期的には、収益の質と安定性を根本から変える。
■ 第5章:あなたのビジネスに、質の高い顧客だけを集める「フィルター」はありますか?
ここで一度、立ち止まって考えてほしいことがある。
高度なスキルを持つコンサルタントが、単発の案件では50万円を稼げるのに、継続収益が月5万円で停滞してしまう。この構造の裏には、たいていの場合、〝フィルターの欠如〟がある。
単発の案件は、ある意味でフィルターが自然にかかる。
「このコンサルタントに頼みたい」と思って連絡してくる人は、すでにその人の価値を理解している。紹介や実績を見て、「この人じゃないとダメだ」という動機を持って来る。だから成約率が高く、単価も高い。
でも継続収益の仕組みを作ろうとした時、多くの人は〝誰でもいいから集めようとする〟。
メルマガ登録者を増やすために、無料プレゼントを配る。フォロワーを増やすために、バズりやすいコンテンツを量産する。セミナーの集客のために、広告を打つ。
その時に「誰に来てほしいか」を真剣に設計しているか。
賞品がMacBookになっていないか。プレゼントが「誰でも欲しいもの」になっていないか。バズりやすいコンテンツが、自分のビジネスと無関係な人を集めていないか。
僕がインスタで経験したのは、まさにこれだった。
お弁当アカウントで11万人を集めた。キャンプアカウントで9万人を集めた。でも彼らは、僕が本当に届けたい価値に興味がある人ではなかった。
〝フィルターなき投網〟の結果だった。
アレイダが7週間で集めた1,500人は、僕が何ヶ月もかけて集めた30万人より、はるかに「使える」リストだった。数字の大小ではなく、純度の問題だ。
専用のルアーを持っているか。
それが、単発50万円のコンサルタントが、継続収益月30万円のビジネスオーナーになれるかどうかの、分岐点だと思っている。
しんたろー:
「フィルターをかけると数が減る」という恐怖は、僕もよく分かる。でも数が減ることより、質が下がることの方がはるかに怖い。質の低いリストに何千時間かけてコンテンツを届けても、収益は動かない。それを体で覚えたのが、インスタの90%減の経験だった。フィルターは「排除」じゃない。「本当に必要な人への道案内」だ。
■ 第6章:SaaS代理店というモデルは、最初から「そのツールが必要な人」だけを相手にする、純度の高いストックビジネスである。
ここで話を、僕自身のことに移す。
インスタで30万フォロワーを失った後、僕はしばらく途方に暮れていた。SNSに全振りして会社を辞めたのに、そのSNSが沈んでいく。次に何をすればいいか、全く見えなかった。
その時に出会ったのが、〝SaaS代理店〟というモデルだった。
仕組みはシンプルだ。月額課金のソフトウェア(SaaS)を紹介し、その料金の一定割合がストック報酬として毎月入り続ける。
最初に試した時、1ヶ月目に79,500円が入った。
「79,500円」という数字は、決して大きくない。でも、その時の感覚は今でも忘れられない。労働していない時間に、お金が発生していた。寝ている間に、先月紹介した人の月額料金から、報酬が自動的に積み上がっていた。
これは、投網漁とは根本的に違う構造だった。
投網漁は、毎日海に出なければ魚が獲れない。でもルアーで釣った魚が「毎月お金を払い続けてくれる仕組み」になっていたら、海に出なくても収入が続く。
SaaS代理店モデルの本質は、ここにある。
そして、このモデルには〝自然なフィルター〟がかかっている。
例えば、僕が今運営しているThreadPostというツールがある。AIがSNS投稿の文章と画像を自動生成するツールで、月2,980円から使える。
このツールを「誰に紹介するか」を考えた時、答えは自然に絞られる。「SNSを使ってビジネスをしている人」「SNSの投稿作成に時間がかかって困っている人」「コンテンツを自動化したい人」。
アレイダがSEOツールを賞品にした時と、同じ構造だ。
ThreadPostが必要な人に届けると、その人は継続して使い続ける。なぜなら、最初から「このツールが必要だ」という動機を持っていたから。逆に、「とりあえず試してみようかな」という温度感で始めた人は、すぐに解約する。
〝フィルターをかけた紹介〟が、ストック収益の純度を決める。
ThreadPostにはパートナー制度がある。ThreadPostを紹介するだけで、その人の月額サブスク料金の30%がストック報酬として毎月入り続ける仕組みだ。
具体的な数字で考えてみる。
月2万円プランを利用している人を紹介した場合、毎月6,000円が入り続ける。これが50人になれば、毎月30万円のストック報酬になる。
僕自身、この仕組みで月30万円のストック報酬を確立した。
「50人紹介するのは大変じゃないか」と思うかもしれない。でもアレイダの話を思い出してほしい。彼女が7週間で1,500人を集められたのは、〝フィルターをかけた紹介〟が連鎖したからだ。質の高い人が、質の高い人を連れてくる。
ThreadPostが必要な人に届けると、その人がまた「これ、使ってみたら?」と周囲に話す。なぜなら、本当に助かっているから。
投網ではなく、専用のルアーで釣った魚は、逃げない。
そして、ここで正直に言いたいことがある。
「自分でサービスを作ればいい」という話は、確かにその通りだ。自分のプロダクトを持つことは、最強の選択肢の一つだと思っている。
でも、それがどれほど大変なことか、僕は身をもって知っている。
ThreadPostを自分で設計・開発する過程で、どれだけの時間とエネルギーを費やしたか。エンジニアとして10年以上の経験があった僕でも、「作る」という行為は重かった。スキルがあっても、時間がなければ動けない。体力がなければ続けられない。
自分でサービスを作れる人はいい。でも、そうでない人を、僕は支援したい。
だから、ThreadPostのパートナー制度は「いきなり起業」のための仕組みではない。〝起業の助走〟として使える仕組みだ。
まずThreadPostを紹介してストック収入を作る。月5万円のストック収入が安定したら、精神的な余裕が生まれる。その余裕の中で、自分が本当にやりたいビジネスの準備を始める。月10万円になれば、会社員の仕事を週3日に減らせるかもしれない。月30万円になれば、完全に独立する選択肢が現実になる。
これは、僕が困っていた頃に欲しかった道だ。
あの朝、インスタの数字が消えた時、僕には次の選択肢がなかった。SNSが沈んだら終わり、という構造の中にいた。もしあの時、ストック収益の仕組みが一つでもあったら、恐怖の質が全く違っていたはずだ。
〝借り物の30万人〟ではなく、〝本当に必要としている人への専用のルアー〟を、僕は今ここに置いておく。
アレイダが3万人という目標を読者と共有した時、彼女は「一緒にここに辿り着こう」と言った。
僕も同じ気持ちで、この仕組みを差し出している。
自分でサービスを作れない人が、ストック収益を持てる道を。起業の準備をしながら、毎月確実に収入が積み上がる仕組みを。投網ではなく、専用のルアーを手に入れる方法を。
詳しい仕組みと、具体的な始め方は、ここにまとめてある。
数字の大小ではなく、純度を選ぶ決断が、ここから始まる。

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