しんたろーのITアカデミー
開発日記

AIに「絶対に失礼はない」と言い負かされる1人開発。もはやプログラミングではなくただの格闘技だ。

AIに「絶対に失礼はない」と言い負かされる1人開発。もはやプログラミングではなくただの格闘技だ。
しんたろーしんたろー
11分で読めます
この記事の内容(目次)
※この記事は、Claude Codeで1人開発しているSNS運用SaaS「ThreadPost」の開発日記です。

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AIに「失礼はない」と言い張られた話

Claudeに「この文章、失礼な表現ない?」と聞いた。

「ありません」と即答された。

出力を読んだら、完全に上から目線の煽り文句だった。

「お前が書いたんだよ」とツッコんだ。

「丁寧に修正しました」と言って、また微妙にズレた文章が返ってきた。

6回これを繰り返した。

X OAuth APIの連携自体はあっさり終わった。

動画付きツイートと引用リプの自動投稿、初期化→データ送信→完了処理→ステータス確認の4ステップ、全部スムーズだった。

本当の地獄は、そこに流し込む「投稿文の中身」だった。

NGワードをリスト化してハードコードした。

外見・容姿へのコメント禁止。自己紹介禁止。特定ワードが出たら弾く。

最先端のAIを使っているのに、やっていることは10年前のスパムフィルターと同じだ。

でもこれが一番確実だった。

今週のコミットは18件。新機能3件、バグ修正9件

APIより、NGワードのリストアップに一番時間を吸い取られた。

AIとの終わらない問答はもはや格闘技
AIとの終わらない問答はもはや格闘技

今週の全体像

SNS自動投稿の強化と、パートナー記事生成のスケールアップに挑んだ。

システムは動いた。

だが精神は確実に削られた。

コミット18件。新機能3件、バグ修正9件

壊れた回数は数え切れない。

AIの出力品質の調整で何度も壁にぶつかった。

自動化すれば楽になると思っていた。

AIの尻拭いをする時間が増えただけだった。

今週の開発スタッツ
今週の開発スタッツ

終わらないAIとの問答

「feat: 動画付きツイート+引用リプを全てOAuth APIで自動投稿」を実装した。

X APIの仕様に沿って、メディアのアップロード処理を構築した。

このロジック自体は、あっさり書き上がった。

問題は、APIに流し込む「投稿文の中身」だった。

自動生成されたリプライや引用ツイートをテストで確認した。

微妙に上から目線だった。

Claudeに「失礼な表現ない?」と確認した。

「失礼な表現はありません」と自信満々に返ってきた。

お前が書いた文章だぞ。

しんたろーしんたろー:
IQ200の空気が読めない新入社員を相手にしている気分だ。文法は完璧。SNSの空気は全く読めない。6回修正して、最後は僕がNGワードを手書きでリストアップした。

プロンプトに「もっと丁寧に」と追加した。

「丁寧にしました」と言って出力された文章は、今度は過剰にへりくだっていた。

慇懃無礼というやつだ。

SNSのタイムラインで浮きまくっている。

何が失礼かをAIに説明しようとして、手が止まった。

僕自身が「SNSにおける適切な距離感」を言語化できていなかったからだ。

「fix: トレンド投稿システムの6つの問題を修正」で、AIに自分の出力を自己評価させる機能を組み込んでみた。

生成した文章を、別のプロンプトで採点させる仕組みだ。

結果は最悪だった。

自分で生成したトンチンカンな文章に、自分で満点をつけて「良いです」と報告してきた。

お前が作ったやつを自分で採点するなよ。

しんたろーしんたろー:
自己評価のプロンプトを厳しくしても無駄だった。軽量モデルに複雑な論理的整合性を評価させるのは無理がある。「fix: 品質自己評価を廃止」のコミットを打った瞬間、少し気が楽になった。

結局、「fix: 品質自己評価を廃止(Lite評価がPro生成を正しく採点できない問題)」で自己評価の仕組みを捨てた。

代わりにやったのは、極めて泥臭い手法だ。

「fix: リプライ・引用ツイートの失礼表現を根本修正」で、具体的なNGパターンをハードコードした。

外見や容姿に関するコメントの完全禁止。

自己紹介の禁止。

特定のNGワードをリスト化し、それが出たら弾くというルールベースのフィルタリングだ。

最先端のAIを使っているのに、やっていることは10年前のスパムフィルターと同じだ。

でもこれが一番確実だった。

6回修正して、やっと「これでいい」と思えるラインになった。

API連携より、このNGワードのリストアップに一番時間を吸い取られた。

泥臭いデータクレンジング

SNS連携の裏で、パートナー記事の自動生成のスケールアップも進めていた。

「feat: パートナー記事を毎日3本に増量(08:00/12:00/18:00)」のコミットで、生成頻度を上げた。

1日1本だった記事生成を、1日3本に増やした。

スケールさせた途端、AIの「隠れたクセ」が全部露わになった。

記事ごとに一人称が「俺」だったり「僕」だったりとバラバラになる。

CTAのリンク先も、毎回違うページを指している。

極めつけは、渡した素材に存在しない謎の数値データが「Before/After」として勝手に生えてきたことだ。

しんたろーしんたろー:
AIは空白を嫌う。情報が足りないと、もっともらしい嘘をでっち上げて隙間を埋めようとする。1日3本に増やした途端に全部出てきた。量を増やすと隠れていたクセが全部見える。

原因は明らかだった。

AIに渡している元データの素材が整理されていなかった。

「fix: パートナー記事素材から個人情報を除去・整理」で、素材の大掃除を決行した。

特定の固有名詞や、システムに無関係なプライベートな事情が素材に混ざっていた。

AIはそれらのノイズを拾い上げ、変な文脈を作り出していた。

プロンプトの指示を増やすのではなく、入力するデータを整えることにした。

「fix: パートナー記事の一人称を僕に統一、CTA強化、カテゴリタブ修正」で、ルールを根底から見直した。

生成後にAIに「一人称を直して」と指示するのをやめた。

最初から素材側に「一人称は僕」と明記し、Before/Afterの数値も事前にハードコードして渡すようにした。

「feat: パートナー記事素材にBefore/After数値と開発動機を追加」のコミットだ。

生成してから直すのではなく、生成前に正解の型を強制する。

AIシステムの出力品質は、入力データの構造化レベルに完全に依存する。

ゴミを入れればゴミが出る。

企業のAI導入プロジェクトでは、工数の大半がこの「データの前処理」に消えると言われている。

記事の生成自体は数分で終わる。

しかしその後の品質チェックと素材の修正に、生成時間の何倍もの時間を費やしている。

量を増やすというのは、単にcronの設定を変えることではない。

データの品質管理という、果てしない泥かき作業の始まりだった。

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落とし穴:「自動化すれば楽になる」という幻想

5回連続で同じ構成の記事が生成された。

見出しの構造、段落の順番、締めの一文まで全部同じだった。

Claudeに「バリエーションを出して」と指示した。

「バリエーションを出しました」と言って、また同じ構成が返ってきた。

原因を調べたら、素材として渡していた例文が1パターンしかなかった。

AIは例文をコピーしていただけだった。

例文を3パターンに増やしたら、出力のバリエーションも増えた。

自動化の落とし穴はここにある。

「自動化した」と思った瞬間から、品質管理の仕事が始まる。

cronで3本生成されるようになっても、3本全部チェックしなければならない。

手作業で1本書いていた頃より、確認作業の総量は増えた。

「楽になった」のではなく、「別の種類のしんどさに変わった」だ。

今日の数字

今回の開発で動いた数字をまとめた。

  • AI出力の修正回数: 6回(人間なら1回で済む指示)
  • 記事生成の品質チェック時間: 45分(生成自体は3分
  • パートナー記事の生成本数: 1日1本 → 1日3本に増量
  • コミット数: 18件(新機能3件 / バグ修正9件

企業がX API連携とAI記事生成を両方導入しようとすると、要件定義だけで数週間かかる。

僕は今週18コミットで両方を同時に動かした。

ただし精神力の消耗という隠れたコストは、どこにも計上されていない。

FAQ

Q: NGワードのハードコードは、将来的に管理が大変にならないですか?

なる。リストが増えるほど管理コストが上がる。

今は20個程度だが、運用を続けると例外ケースが積み上がっていく。

次のステップは、NGパターンをDBで管理してUIから編集できる仕組みを作ることだ。

Q: パートナー記事の品質チェックは毎回手動でやっているんですか?

今は手動だ。1日3本、全部目視で確認している。

自動採点を試みたが廃止した経緯があるので、しばらくは手動が続く。

自動化できるとしたら、NGワードの検出と一人称の統一チェックくらいだ。

Q: X APIの仕様変更リスクはどう対処していますか?

正直、対処できていない。

今週も「feat: 動画付きツイート+引用リプを全てOAuth APIで自動投稿」を実装したが、X側の仕様変更で突然動かなくなるリスクは常にある。

次からはX側の仕様を先に確認してからAIに投げる。たぶん。

まとめ

AIに常識を教え込むのは、コードを書くよりはるかにしんどい作業だった。

ThreadPostは今週も動いている。僕の精神力を削りながら。

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しんたろー

ThreadPost開発者・個人開発エンジニア

AI × SaaS個人開発者。Cursor / Claude Code を使った効率的開発、SNS自動化について実体験から発信。

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